同書は発刊以降反響が大きく、２５０万部（電子書籍を含む）を突破する大ベストセラーとなり、アニメ化や映画化されたことは、広くみなさま御承知のとおりと存じます。その題材となった著書『マネジメント』で有名なピーター・F・ドラッカー氏は、「現代経営学」あるいは「マネジメント」の発明者と呼ばれ、組織運営のノウハウすなわちマネジメントの重要性をはじめて世に知らしめました。そして晩年を非営利企業の経営研究に大きなエネルギーを費やし、21世紀はNPOやNGOなどの非営利組織が活躍する時代になると分析をして、１９９０年には『非営利組織の経営』を出版しています。

 

それでは、なぜ21世紀が非営利組織の時代なのか？岩崎氏いわく、それは20世紀と21世紀では知識社会・情報社会の状況が大きく変わったから。昔は学校の先生や組織の長など、他の人より知識を持った人物が上に経つ事によって教育や指導を行い、組織をまとめ人材を引っ張っていくことが可能であった。しかし、現在は情報が溢れ、ITを駆使すれば誰でも知識レベルを上げることができる。専門的であり広範囲な知識を誰でも持てる時代になったため、知識量だけでは組織を動かすことができなくなった。では、上に立つ人物はどのような形で組織をまとめ引っ張っていくことができるのか？このような組織マネジメントの変化がくることをドラッカー氏は20年前に予測していた、とお話されています。

 

今回の講演会では、企業経営者・マネージャーの皆様はもちろん、沖縄で活動する自治会・NPO法人など非営利組織運営者の皆様や、学校の部活動などチーム運営に携わられる皆様に、21世紀のいま、組織・集団が目標を達成するためにドラッカー氏の『マネジメント』をどのように生かしていくことができるのか、岩崎氏の講演、市民ゲストとのパネルディスカッションを通じて、皆様の地域づくりを考える絶好の機会にできればと思っております。